中国南部進出の米国企業 7割が東南アジアなどに移転検討
中国南部進出の米国企業 7割が東南アジアなどに移転検討
ポストセブン2018.11.24 07:00
中国南部に進出している米国企業のうち約7割が今後、中国への投資を見送り、生産ラインの一部または全部を中国から東南アジアなどに移転する計画を検討していることが明らかになった。今年7月以降の米中両国による相互の追加関税措置発動により、ますます激化している米中貿易戦争の影響といえる。
両国の対立の長期化が必至との予測が強まるなかで、大多数の米企業は、中国に進出している他の国の企業と比べて、米中貿易戦争から受ける損害が大きいと認識。そのため、米企業の中国離れが加速していきそうだ。ロイター通信が中国の華南米国商工会議所が発表した最新調査報告書の内容として伝えた。
調査は今年9月21日から10月10日までに、219社の企業を対象に実施。そのうちの3割以上が製造業を占める。調査対象企業の64%は生産ラインの中国から移転を検討しており、北米に生産拠点を移すとの意思を示した企業は全体の1%にとどまった。
調査結果によると、85%の米企業は、(米中両国の)関税制裁による打撃を受けており、米側の対中制裁による影響を最も強く受けているのは卸売業と小売業とのこと。中国当局の報復関税措置による影響は、米国の農業関連企業に集中しているという。
華南米国商工会議所のハーレー・セアディン所長はロイター通信の取材に対して「企業の受注が減っている、または受注が入ってこなくなった」ことを明らかにしている。
具体的には、同会議所加盟企業全体の約50%は、中国当局による監督管理の強化や通関手続きの遅延などを含む非関税障壁が増加していると指摘。ロイター通信は
「これは中国当局による米企業の嫌がらせ以外の何ものでもない。中国当局による対米報復措置だ」
との専門家の分析を紹介している。
調査結果は「米中貿易戦争により、輸出産業を地域経済の牽引力とする広東省では、1~8月までの輸出額は前年同期比で縮小している」としており、華南地区に進出している米企業の大半は今後、生産拠点を東南アジア諸国に移転することを真剣に検討しているという。
一方、中国に進出する欧州企業が所属する中国欧盟商会(会員企業数:約1600社)は11月5日、習近平国家主席が同日、上海で行った第1回中国国際輸入博覧会開会式の基調講演について、批判的な声明を発表。
声明は
「習主席が述べた中国の対外開放政策について、これまでと比べて、多少の進展はあるものの、中国政府の(対外開放)政策のほとんどは実現されていない」
と指摘。
さらに、「(中国の対外開放政策に対する姿勢について)具体性を伴う方策や日程が示されていない」
と前置きして、
「中国における欧州企業コミュニティーは(中国政府の)この種の約束事にもはや無関心になっている」と述べて、強い失望感をにじませている。
中国問題に詳しいジャーナリストの相馬勝氏は
「中国市場について、欧米企業は立場の違いこそあれ、いずれも魅力が薄れていると感じているのは間違いない」
と指摘している。
㊟ゴキ国に進出している日本企業の動きは見えないが、欧米はすでにゴキブリ国に見切りをつけたようだ。
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