中国:南沙埋め立て「近く完了」…軟化を演出か
【北京・石原聖】中国外務省は16日、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で進める埋め立て工事について「近く完了する」との見通しを示した。
ワシントンで23〜24日に開かれる米中戦略・経済対話と9月の習近平国家主席の訪米を控え、埋め立てエリアを拡大しない方針を示して米国との対立激化を回避したとみられる。
ただ、南沙諸島での埋め立ては大半がすでに施設の建設段階で、「軟化を打ち出したように見えて、人工島化した島しょでは実効支配を着実に進める」(海上安全保障の専門家)との冷めた見方が支配的だ。
陸慷報道局長名の談話文書は、「既定の計画に基づき、駐在する一部の諸島で進めた土砂の水抜き工程が近く完了する」とし、「軍事防衛の必要性を満たすほかに捜索救助など民生目的もある。次はこれらの機能を満たす建設に移る」と明記した。
報道局長は島しょ名を明かさなかったが、埋め立てがほぼ終了する島は、美済(ミスチーフ)礁と渚碧(スービ)礁を指すとみられる。
フィリピン軍によると、中国は南沙諸島の七つの岩礁・暗礁のうち五つで埋め立てをすでに終え、永暑(ファイアリクロス)礁で滑走路(約3キロ)建設が進むなど≪ここからブロマガ『課金記事』を購読するをクリックしてください≫