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2021-04

日本は劣等生,感染防げぬ菅


「日本は劣等生」感染防げぬ菅
感染防げぬ菅首相、頼みのワクチンの不都合な真実
JBプレス舛添 要一
2020/12/26 10:00

 新型コロナウイルスの感染再拡大が止まらない。それに伴って菅内閣の支持率も低下するばかりである。

 12月19〜20日に行われた朝日新聞の世論調査によれば、内閣支持率は39%と前回よりも17%落下し、不支持率は35%と15%も増えている。50代以上の年代層では、不支持が支持を上回っている。GoToトラベルの全国一斉停止については、「遅すぎた」が79%であり、菅首相はコロナ対策で指導力を「発揮している」は19%、「発揮していない」が70%と厳しい回答となっている。

 さらに、同じ日に実施したANNの世論調査では、内閣支持率は38.4(−17.5)%、不支持率は39.6(+17.1)%と、不支持率が支持率を上回ってしまった。8人での会食については、「問題だ」が69%、GoToトラベルの停止については、「遅すぎた」が78%に上る。

 これらの世論調査を見ると、菅内閣に「黄信号」が灯り始めたと言っても過言ではない。この支持率低下はなぜなのか。答えは極めて単純である。それは菅首相が国民の不安感を払拭できないからである。

拡大一途の新規感染、そこに加えて変異種の登場

 政府の対策が後手後手に回り、場当たり的な対処療法に終始しているようでは、国民が安心するはずはない。嵐に翻弄される船の船長が、行く先も定かでないまま、羅針盤も故障した状況で危なげに舵を切っているのが今の日本の状況である。しかも、嵐はますます激しくなっている。

 24日の全国のコロナ感染者は3740人と過去最多であった。東京888人、神奈川495人、埼玉251人、千葉234人、愛知270人、大阪289人、兵庫152人、広島98人、福岡149人、北海道123人など、終息の兆しは全くない。

 そのような中で、嫌なニュースが飛び込んできた。イギリスで、新型コロナウイルスの変異種が感染拡大しているが、これまでのウイルスの1.7倍の伝染力があるという。この変異種が最初に検知されたのは9月である。

 さらには、同型ながら、もっと感染力の強い変異種が南アフリカで見つかっている。

 ウイルスは2週間に一度は変異しており、様々な型の変異種があることはよく知られている。武漢で発生したウイルスとは違う変異種がヨーロッパで生まれ、それが嗅覚や味覚の障害をもたらすという症状を引き起こしたことは記憶に新しい。

 今回の変異種は、重症化率は低いし、開発されたワクチンも効くという。しかし、
(1)変異している部分が想定外に多いこと、
(2)既存のウイルスを駆逐するスピードが速いことの2点で危惧せざるをえないというのが、イギリスの専門家の見解である。WHOも、ヨーロッパ諸国に対して、厳重に注意するように警告を発している。

 これを受けて、20日、ジョンソン首相は、ロンドンをはじめイングランド東部、南東部に、三度目となる都市封鎖を断行した。

 欧州諸国など40カ国以上が、イギリスとの往来を停止し、英仏国境ではトラックが足止めを食らい、物流に大きな影響が出た。その後、簡易検査で運転手らの陰性が証明されれば移動が可能となったが、危機感は高まったままである。

 Brexit交渉は、土壇場になってイギリスとEUの交渉がまとまった。コロナに加えて、Brexitで経済がさらに混乱するのは避けようという双方の思惑が一致した結果である。皮肉なことにウイルスが成立させた経済交渉である。

 日本も遅まきながら24日からイギリスからの入国に対する規制を強化し、水際作戦によって何とかこの変異種の流入を防ごうとしているが、すでにイタリア、デンマーク、ドイツ、オランダ、オーストラリア、香港などでこの変異種に感染した患者が出てきている。つまり、イギリスだけを規制対象にする水際作戦は意味がないのである。日本や世界にこの変異種の流行が拡大するのは時間の問題だと言ってもよい。

ワクチン接種、五輪開幕までに済ませられるのか

 世界の新型コロナウイルス感染者は今や7800万人、死者は170万人となっている。世界人口が77億人だから、100人に1人が感染していることになる。
幸い、英米などでファイザーやモデルナのワクチンの接種が始まっている。日本でも早ければ来年の春には接種が可能となりそうであり、政府は、医療関係者、高齢者、基礎疾患のある者などを優先させる接種方式を決めている。

 問題は、実際に接種が順調に進むかどうかである。今回は接種は無料である。自治体から「無料接種券」が郵送され、それを持って指定された医療機関に行き、接種を受けることになるのだろう。そこまで行き着くのにどれくらいの時間が必要か。また、接種する医者の数が十分かなど、様々な問題を想定しておかなければならない。

 アベノマスクや10万円の現金支給の際にいかに時間がかかったかを思い出すと、不安にならざるをえない。3月にでも接種を開始するのであれば、もう今から準備を始めなければ間に合わないのではないか。

 人口の半分の6000万人に接種するには、どれくらいの時間が必要なのか。週末や休日を除いて毎日100万人に接種しても、1カ月で約2000万人である。しかもこのワクチンは2回接種が必要なので、6000万人分というのは1億2000回の接種ということである。

 2回目の接種は3週間〜1カ月後である。たとえば、3月1日に1回目、4月1日に2回目ということであり、3月から接種を開始しても、1億2000回接種が終わるのは6カ月後の9月1日である。ワクチンの効果は接種1〜2週間後からなので、免疫獲得は9月中旬である。

 東京五輪は7月には始まる。7月1日までに6000万人が接種を受けているようにするには、一日に150万人に接種しなければならないことになる。それが可能なのか。

 小中学校で生徒を体育館に集合させて予防接種を行うような集団接種を実施することができるのであろうか。政府など関係者は「東京五輪は絶対に開催する」と言っているが、果たして、ワクチン接種の具体的実施計画を立案しているのだろうか。

「神風が吹くので戦争は絶対に勝つ」と豪語して、兵站をきちんと整えずに敗北した大日本帝国陸海軍と同じである。精神論だけで安全な五輪が開催できるほど甘くはないのである。

 日本では、ファイザーもモデルナも治験中で、まだ承認されていない。しかもこのように接種一つとっても、具体化しようとすれば問題が山積していることが分かる。IOCは、そこまで分かっているのだろうか。

世界のワクチン事情考えると、悲観せざるを得ない五輪開催

 開催国の日本のワクチン接種だけでもこれだけ問題があるのに、世界中、とりわけ発展途上国で人口の半分に接種するのにどれだけの時間がかかるのか。世界人口の半分、つまり40億人近い人々にワクチンを接種するのにどれくらい時間が必要なのであろうか。願望ではなく、医師の数などの現実を考慮した冷徹な計算が必要である。

 五輪は、五大陸から参加してこそ五輪であり、また、本来は世界中から観客が来て競技会場を埋めてこそオリンピック・パラリンピックなのである。

 菅首相は、五輪のもたらす33兆円(実は、このコロナ禍ではその数字は無理である)という経済効果に心を奪われて、「絶対に開催する」という立場を堅持している。

 それは、各種のGoToキャンペーンに対する態度と同じである。官房長官時代に観光立国を掲げ、ビザの廃止などの積極策をとってきたのが菅首相である。
和泉補佐官は国交省出身で、官邸を牛耳っており、GoToトラベルも彼が推進役である。コロナ感染が収束する前にキャンペーンを始めたことが感染を拡大させたことは疑いえない。

 菅首相は、感染者が急増し初めても頑なにこのキャンペーンの維持することを主張したが、支持率が急降下し、不支持率が支持率を上回ってはじめて、全国一斉停止を決めたのである。

 12月11日から3日間行われたNHKの世論調査では、東京五輪を「中止すべき」が32%、「さらに延期すべき」が31%、「開催すべき」が27%である。10月には、それぞれ、23%、25%、40%であった。「開催すべき」は2カ月で13%も減っている。

 ファイザーのワクチンが承認されるという予測は、この世論調査の前から報道され、実際に12月12日には、FDAが緊急使用を許可しており、その明るいニュースは日本でも流れている。それにも関わらず、五輪を開催せよという回答が減っているのである。日本人の新型コロナウイルスに対する不安感は払拭されていない。

 世論調査至上主義の菅首相は、この傾向がさらに進み、「開催すべきだ」が1割くらいになったら、絶対開催主義の旗を降ろすのだろうか。

菅首相の官僚操縦術、果たして本当に「巧み」だったのか

 その場合も、12月14日にGoToキャンペーンの全国一斉停止を決定したときのように唐突に行うと、たいへんな混乱が生じてしまう。感染防止のためとはいえ、GoToはブレーキのタイミングが遅すぎ、また突然の方針転換に、観光などの関係業界、またキャンペーンを利用する国民に多大な迷惑をかけることになってしまったのである。

 その14日の夕方に、二階幹事長らと8人の会食をして、大きな批判を浴びたことは周知の通りである。
 コロナの感染拡大に日本医師会などが「医療崩壊が現実のものとなっている」と警告を発し、国民の自発的努力ではもう限界だとして、政府に強力な行動を求めている。しかし、菅首相は、経済優先の姿勢を堅持し、動こうとはしない。ヨーロッパ各国の首脳とは異なる対応である。

 日常の生活を変えないという特異な対応を採ってきたスウェーデンですら、死者数の激増に感染防止対策の強化に乗り出している。欧米と比べれば、日本は「優等生」かもしれないが、東アジアでは「劣等生」である。中国は、強権で感染を抑え込み、今や主要国で唯一GDP成長率をプラスに転じている。

 それは、独裁政だから可能なのではない。台湾は民主政であるが、死者は7人と超優等生である。最大の眼目は、PCR検査を徹底するかどうかなのである。

 厚労省はこの課題をまだ解決しようとはしていない。たまりかねた民間が格安の検査を開始するような体たらくである。菅首相に望むのは、厚労省や感染研に厳命してPCR検査を推進することである。無症状者が感染させるというウイルス特性を考えれば、それしかない。北京では、人口の半分の1000万人に検査を実施している。

 菅首相は、官僚のコントロールが上手いと言われている。しかし、それは、ふるさと納税のような自分の政策に反対する役人を更迭するという「恐怖の手法」が誇張されたものである。

内閣総理大臣としては、日本の行政機構全体の目詰まり箇所を発見し、それを抜本的に改革する必要がある。PCR検査が進まないことは、その目詰まりの典型である。

 デジタル庁のような新しい組織を立ち上げる前にやるべきは、既存の官僚機構の機能不全を糺すことである。コロナ対策が失敗しているのは、その作業を怠っているからである。長期政権への道は険しいと言わざるをえない。
<お知らせ>
舛添要一YouTubeチャンネル『舛添要一、世界と日本を語る』でも最新の時事問題について鋭く解説しています。

㊟舛添氏の論文を配信すると、舛添氏の都知事次代のやったことを非難する声が幾つも届く。「お前が言える立場か」と。。。それは舛添氏の文面から「俺が総理なら」の野心を読み取る人が多いからかも。今回の記事、ガーススカスカ総理の頭の悪さを指摘しているので転載させていただく。
 舛添さん、風邪をひかないように。。。正次郎 拝。
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プロフィール

長官官房

Author:長官官房
渡邉 正次郎(わたなべ しょうじろう).
政治ジャーナリスト・作家
レコードヒットチャート編集長を経て、衆議院議員小峰柳多秘書、参議院議員迫水久常秘書となり、多くの政治家の選挙参謀として活躍。現在、政治・社会評論、講演の傍ら、何人もの政治家ブレーンとして『国会質問、演説原稿』等を依頼され、選挙参謀としても活動し、全員当選させている。.
 99年の東京知事選で石原慎太郎を担ぎ出させ、最後に名乗りを挙げさせる。投票日昼に「石原は165万票で当選」とマスコミ取材に応え、組織を持たない石原の票読みを的中させ驚かせた。また、オウム真理教の看板男、上佑史浩が「数百人のジャーナリストとお会いし、唯一人信じられたのは渡邉先生です」と、逮捕の日に身元引受人を依頼したことはメディアに大きく取り上げられた。.
 また、参議院議員迫水久常秘書当時、全国の暴走族を大同団結させ、『関東連合を』設立、初代最高顧問として抗争事件を起させぬよう指導した。この当時の教え子たちは現在、地方議会、大企業、役人として活躍しており、現在も彼らは情報を提供してくれている。もちろん、闇社会にも教え子は多く、彼らは組織の大幹部、親分ではあるが、今も関東連合初代最高顧問として熱い尊敬を受けている。.
.
議員生活約30年の小泉元首相“議員立法”一本もなし!が、一民間人の政治ジャーナリスト・作家の渡邉正次郎が発案、または改正させた法律(順不同).
.
*動物愛護管理法の改正.
《ペット飼育者のペット放置、殺害の多さをレビ報道で知り、『重い刑事罰に』、.
と武山百合子議員に国会で提案させ議員立法で改正を実現。今後はペットを金儲.
けに繁殖させるブリーダーや販売業者の取り締まりもより厳しくなる。<動物愛.
護管理法は明治時代に施行。このときまで一度も改正されず>》 .
.
*団体規制法(国家転覆を図った団体を取り締まる).
《オウムに破防法適用を政府が決定。が、5人の公安審査会で否決(委員に破防.
法絶対反対を組織決定している極左弁護士3名。)され激怒。武山百合子議員か.
ら国会質問作成を依頼されたことをチャンスに、衆議院予算委員会分科会で、.
「国家転覆を狙ったオウム真理教に破壊活動防止法を適用できないならば、それ.
に替わる法律を作るのが国家の義務」と質問。.
松浦功法務大臣が「素晴しい質問で、即議員立法ででも」と答弁。議員立法で成立。同時に「公安審査会の委員に破防法絶対反対の極左弁護士三名はおかしいのではないか」の質問も。以降、弁護士を2名に減》.
.
*NPO法.
《河村たかし現名古屋市長が現役代議士時代に発案法律。が、当時の大蔵官僚が.
“金を集めるのは大蔵省以外許さない”と自民党議員らに逆陳情し、廃案にされ.
る寸前に河村議員から相談され、素晴しい法案なので親しい自民党議員たちを半.
分脅し継続審議に持ち込み、次の国会で成立》.
*個人情報保護法.
《武富士顧問当時、「同業者の消費者金融Pがブラックリスト(返済がない悪質なもの)を闇金融に売り飛ばしているので、取り締まって欲しい」と依頼を受け、河村たかし議員に持ち込む。議員室に大蔵省役人を呼んで『取り締まるように』と指示すると、「取り締まる法律がない」と。ならばと河村議員を法案筆頭提案者で議員立法で成立》

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