ノーベル電池に負の側面も!!
ノーベル電池に負の側面も!!
ノーベル化学賞に輝いた電池技術、負の側面にも留意を
Antony Currie 10月10日
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[ニューヨーク 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 蓄電池ほど急速に社会全体に普及した技術はなかなか思いつかない。今や携帯電話からノートパソコン、電気自動車(EV)などあらゆる分野に使われている。
そうした事実だけでも、今年のノーベル化学賞がスタンリー・ウィッティンガム氏、ジョン・グッドイナフ氏、吉野彰氏の3人に授与されたのは妥当と言える。彼らはいずれも、リチウムイオン電池の開発と改善、商業化に携わったからだ。蓄電池技術は気候変動を和らげる一助となる可能性さえ秘めている。ただマイナス要素が全くないわけでもない。
まずはメリットから。例えばEVが多く走行するようになれば、温室効果ガスの排出量が大幅に減ってもおかしくない。米エネルギー省の分析では、米国では化石燃料で走る車の二酸化炭素排出量は、電動車の約2.5倍に上る。強力な再充電可能バッテリーは、発電効率も高めてくれる。それが実現できないと、風力などの再生可能エネルギーの魅力は低下してしまう。
しかし電池エネルギーへの転換には、それなりのリスクも伴う。
第1に、電池製造に必要な資源は常に簡単に入手できるわけではない。コバルトや黒鉛(グラファイト)、ニッケルの鉱床は僻遠の地にあり、政情不安や経済の混乱、もしくはその両方の問題を抱えている。
例えばコバルトは世界全体のおよそ60%が、コンゴ民主共和国で産出される。これらの資源への需要増大を受け、フォルクスワーゲン(VOWG_p.DE)などの自動車メーカーは長期供給契約を確保しようとしている。リチウムとコバルトは最近数カ月値下がりしているとはいえ、電池関連資源の価格は過去数年間押し上げられてきた。
第2に、こうした資源採掘によって環境汚染への懸念が出ている。その1つが水不足で、産出量が多いオーストラリア、ブラジル、コンゴ民主共和国、中国は既に干ばつに見舞われやすい状況にある。
さらに鉱山ダムに残された廃棄物が厄介だ。今年1月にブラジル鉱業大手ヴァーレ(VALE3.SA)が保有する鉱山ダムの1つが決壊した際には、240人強が命を落とした。コロンビア・ウォーター・センターによると、ヴァーレのあと6つの鉱山ダムはもっと有害だという。
最後に社会的リスクが挙げられる。鉱山に関しては作業の危険性のほか、児童を働かせている問題があるし、スマートフォン中毒も指摘される。
これはノーベル化学賞の受賞者の偉業をけなそうという話ではない。だが環境問題を含めて、蓄電池技術を一段と良い形に活用していく余地があると肝に銘じる価値はあるだろう。
●背景となるニュース
*スウェーデンの王立科学アカデミーは9日、2019年のノーベル化学賞を、再充電可能なリチウムイオン電池の開発に貢献した3人の研究者に授与すると発表した。
*英国人のスタンリー・ウィッティンガム氏は1970年代にリチウムイオン電池の最初の機能を発見し、ジョン・グッドイナフ氏は1980年代にこの電池の潜在力を大きく高めた。そして吉野彰氏は電池の安全性を大きく向上させた。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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㊟知らなかった…鉱山でこどもたちが働かされている。。。しかも有害の地下資源に囲まれて。。。
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キムチ民主党の置き土産
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太陽光発電耐用年数は、国産で14年(経産省)、現在中心になっている中国、韓国製では7年で、発火事故が多発しています。
さらに、廃棄されるパネルにはカドミュームを始めとする有害物質が使われており核廃棄物同様の処置が求められます。
また、日本家屋は、屋根にこのようなパネルを設置されるようには出来ておらず家屋の劣化、火災がすでに起きており、数本のビスで留められたパネルは台風や強風で飛ばされ2次災害を巻き起こしています。
森林が伐採されたり田畑がパネルで覆われています。